タイに移住して1年、タイと日本の違いを色々と見つけました。
移住する前に5回旅行に来ていたので知っていた部分もありましたが、新しく知ることもまだまだ多く、良い具合にカルチャーショックを楽しんでいます。
日本とタイは同じアジアの同じ仏教国同士なのに、生活も国民性も全然違うのが面白い!
ということで、今回の記事では私から見た
タイに住んでわかったタイと日本の生活の違い
を15個に絞ってお伝えします。
タイ移住やタイ旅行の検討材料にしてもらえたらと思います。
まだまだあった!日本とタイの文化の違い第2段もあるので後で読んでみてください♪
タイに住んで驚いたタイと日本の違い15選
では、私がタイに住んでびっくりした日本との生活や文化の違い15選をお伝えします。
1. 交通手段が多様
バンコクでは、
- 電車
- BTS(モノレールのようなスカイトレイン)
- 地下鉄
- バス
- タクシー
- GrabやBolt(民間配車サービス)
- トゥクトゥク
- バイクタクシー(略してバイタク、モタサイ)
- ボート(川・運河)
の交通手段が発達していて日本よりも移動の選択肢が多様です。
バンコクは世界でもトップクラスに渋滞がひどいので、渋滞に巻き込まれないボートやバイタクが便利。
しかし、バイタクでの移動は事故リスクが高く危ないので、駐在員は会社から禁止令が出ているとも。
というのも、タイは世界トップクラスで交通死亡事故が多い国でもあるのです!
確かに道でトラックがひっくりかえてるのを2回見た…
運転者同士が喧嘩になってタクシー運転手が発砲なんてニュースがたまにありますから、運転中のタイ人はそっとしておくのが吉かも。。(タイは銃国家)
チャオプラヤエクスプレスも便利な交通手段
2. 道路・交通事情が悪すぎる
バンコクはもはや名物と言えるレベルで渋滞がひどい都市。
夕方の帰宅ラッシュは数十メートル進むのに1時間弱かかるなんてよく聞く話です。
バンコクの地図を見るとよくわかりますが、大通りから出ているソイ(小道)が行き止まりばかり。
ほとんどのソイは入ってしまうとUターンして一度大通りに出ないといけないので道路の作り上、混んで当然だなと思います。
さらに、十字路では譲り合いをせずに我先にと突っ込んでいく気が強い国民性でもあるから余計に時間がかかる…
正直、呆れます。笑
その他、道路事情にも悪いところがあり
- 雨季は冠水して道が川になる
- 大通りは排気ガスがモクモクして臭い
- バイクのすり抜けが激しすぎる
- 道端の排水溝に食べ残しを捨てる
- 生ゴミの袋が開いてゴミが散乱
- ネズミやゴキブリをよく見かける
- 歩道の段差が高すぎ
- 道のタイルが取れて穴ぼこ、地震があったかのようにグニャグニャ
こんな感じですから、人によってはかなり辛いかも。
特にベビーカーでの移動は大変です。
子どもがよくつまずくしベビーカーは無理
数十メートルに一度は生ゴミ臭い
道路は基本的に汚れていると思ってOK
バンコク旅行はこの道路事情を知った上でのホテル選びが重要。
こちらの記事でバンコク旅行のホテルの選び方を解説しています。
3. 朝が早い
朝も渋滞がひどいバンコクは場所によっては朝5時頃からすでに渋滞。
なので子どもたちのスクールバスも渋滞のピークにハマらないよう6:00〜6:50くらいにお迎えがきます。
実際に我が家は5時半に起きて6時に子どもたちを送り出すというスケジュールです…
そして意外だったのが、子どもを送り出した足で外に出てみると、もう屋台やお店がやっているし運動をしたり通勤している人もかなり多いこと。
暑期は日が出ると8時頃でもとても暑いので、朝の涼しい時間に移動する人が多いそうです。
乾季の朝6時はまっくら
4. タンブン(寄付)が根付いている
仏教国であるタイではタンブンという習慣があります。
驚くのが、中高生などの若い子たちも自分のお財布からお金を出して路上生活者に渡していること。
在住日本人は
「路上生活者の裏には悪い組織があって渡したお金はマフィアの資金になり悪循環だから寄付するべきじゃない」
などの理由で渋る人も多いそうですが、タイ人がお金を渡すのはしょっちゅう見かけます。
※欧米人も寄付の文化があるようでよく見かけます。
私は、裏の組織がいようがいまいが気にせず、見かけたらお金をあげるようにしています。
路上にいる身体障害の方に寄付するタイ人男性とうちの娘たち
毎日顔を合わせるので仲良しになった方
また、タイの方は自分の誕生日にはお寺に行ってタンブンをするのが慣しだそうで、お寺に行くと魚にタンブンしている人が
「今日は誕生日だからタンブンしにきたんだ。よかったらこれどうぞ」
と魚の餌を娘にも分けてくれて餌やりをさせてくれるということもありました。
このような小さな施しが当たり前に日常に溶け込んでいるし、有名人やセレブリティ的な人の高額な寄付もニュースやSNSでよく見かけます。
タイ人と結婚した友人は、親戚や周りから物や食べ物をもらうことが多いことに最初は慣れなかったと言っていました。
5. 仏教が生活に根付いている
先程のタンブンもそうですが、お寺の多さと仏教への信仰心は日本の比ではありません。
例えば、街にはオレンジ色の服で托鉢するお坊さんがいますし、電車の優先席にはお坊さんも含まれます。
どの建物にも神様が祀られており、神様の前を通るときに一礼する人も多々。
中にはビルの前の神様に膝をついてお祈りする人も。
私も信心深いタイプなので、とても気に入っている国民性です。
Monk(お坊さん)は優先対象
車には神様が貼られていたり書かれていたり
6. 子どもを大切にする
タイに限らず日本以外のアジア圏はどの国も子どもをとても大切にします。
子連れに対する風当たりが日本と全く違います。
これは日本と海外の両方で子育てしたことがあるどの日本人も口を揃えて言うことで、逆に日本人の子どもへの冷たさに悲しくなる瞬間でもあります。
電車がどれほど混んでいても小さい子が乗ってきた瞬間に何人もの人が一斉に立ち上がり道を作って子どもを席に座らせてくれますし、赤ちゃんが街を歩けば街ゆく人に声をかけられます。
レストランでは、店員さんが小さい子に群がり抱っこしてくれて、そのまま厨房まで連れて行かれてお店中の店員さんに一通り可愛がってもらってくることもタイやその他のアジア圏ではあるあるです。(その間に親がゆっくり食事できるような配慮なのかも?)
きっと、タイ人皆が自分もそうやって大事にされて育った経験があるんだろうなぁと羨ましくもあります。
お節介とも取れますが、精神的に助かることの方が多いので私はとてもありがたい。
マレーシアに親子留学されている方がタイ旅行に来た時「マレーシアも子どもに優しいが、比じゃないくらいタイの人は優しい」と言っていました。
しかし物事は表裏一体ですから、子どもを大切にする考えが行き過ぎて過保護になるとデメリットにもなり得るようです。
- 怪我をさせない
- 病気をさせない
- 優先する
- 宝のように可愛がる
というのがタイの人たちの共通の認識ですから、大切にされすぎたまま大人になったタイ人は我慢ができない、ヒステリックが多いというリアルな意見も。
また、怪我をさせないためにスポーツを制限する親もいるとも耳にします。
その辺は「人による」のだと思いますが、私個人としては、日本よりもタイの方が圧倒的に子どもに良い影響があると感じます。
7. 肥満の人が多い
旅行でタイに来た時の印象ではタイ人は細くて手足が長い人が多いと思っていましたが、住んでみると肥満の人が多いことに気づきました。
それもそのはず、タイの飲み物はたっぷりの練乳と砂糖が入っているし、屋台の料理はフライパンに油が海の様ですから…納得…
糖尿病や肥満はタイの社会問題にもなっているようで、国が「野菜を食べよう」とCMなどで啓蒙し始めたようです。
先ほどの項目の「子どもを大切にする」というのが悪い面に出ると、
子どもを甘やかして限度を超えたお菓子を与える+ケガを恐れてあまりスポーツさせない
という環境になりがちなのか、子どもの肥満児も多く問題になっているようです。
8. 人種や文化の多様性がある
住む前は、タイにはタイ民族の仏教徒が多いと思っていたのですが、実際には
- 中華系(華僑2-3世・仏教)
- マレー系(イスラム教)
の民族・宗教の方も多いことを知りました。
ラオス・ミャンマーを挟んで中国がすぐそこに陸続きですし、東にはカンボジア、南はマレーシアと三方が陸続きで外国と隣接しているので、地図を見たりタイと中国の歴史を調ると納得です。
タイイスラムの方々も多いのでスーパーの商品にはハラール認証マークが書かれているものがほとんどです。
タイイスラムが多く住むエリアではコーランが流れるのにはびっくり。
9. LGBTの人が当たり前に共存している
タイに来て一番驚いたのがLGBTの人が当たり前に普通に社会に馴染んでいることだと夫は言います。
日本ではLGBTへの理解が進んでいるとはいえ、職業でいえば芸能人や水商売やファッション、美容系など、一部の職業に偏るイメージ。
しかし、タイでは普通の店員さんや教師、ビジネスマンにも元男性・元女性がいて、誰もそれを不思議に思わずに生活しています。
学生さんは、自分の性認識通りの制服を着て良いそう。
日本と比べてLGBTへの差別が圧倒的に少ないんだろうというのを肌で感じます。
もはやLGBTという認識がなく、当たり前に性別の壁を超えているので、誰もそれを特別なことだと思っていません。
10. 日本人・日本のお店が多い
旅行でバンコクに来た時は日本人居住区に行くことがなかったので知りませんでしたが、バンコクのスクンビットエリアには超巨大な日本人街があります。
ロサンゼルスに次ぐ世界2番目に日本人が多い街がバンコク。
この辺りに住めば、英語もタイ語が喋れなくても日本語だけで日本とほとんど同じ物を買って日本とほとんど同じ生活をできると思います。
日本のご飯屋さんだけでも私の地元の飲食店の総数よりも多いはず…笑
日本人が多いエリアは物価も家賃も高く東京に近い生活費がかかりますから、バンコクへの移住は
- 生活費の予算
- 関わっていきたい人・国籍
を明確にし、住むエリアをしっかりと検討した方が良いです。
日本人率90%のアパートもたくさんあります
バンコクで住むエリアを考える際の基礎情報をこちらの記事にまとめました。
11. 物価がそんなに安くない
これも旅行ではわからないかもしれませんが、バンコクの中心部はもう日本と変わらない物価になってきつつあります。
安いと感じるのは、
- 屋台料理
- ローカルの市場
- タクシー
- 人件費(メイドや運転手)
- 家賃(東京と比較して)
- 高級ホテルが日本と比較して安い
これくらいで、清潔感や品質や安心を求める消費をすると日本とそこまで変わらない生活費が必要です。
家賃は東京よりは割安ですが日本の地方よりは高いので、東京以外から移住される方にとっては東京に住むくらいの家賃がかかると思った方が良いです。
我が家が一年目に住んだのは80平米の2LDKで16万円でした。
12. 教育熱心(過保護)な親が多い
タイに来てびっくりしたのが、日本よりも学歴主義で勉強やお稽古をさせる親が多いということです。(都心の人たちの話です)
タイは貧富の差が激しく階層社会。
さらに、ここ数十年ずっと経済成長をしてきているため、裕福になる人となれない人の差がよく目に見えます。
我が子をエリート街道に乗せなければ…!と勉強をさせる親の考えは、きっと高度経済成長期の日本のようなのかなと思います。
タイ語の先生曰く、初対面でも普通に卒業した学校や会社での役職を聞いてくるそうです。
13. インターナショナルスクールやバイリンガルスクールに通う子が多い
前項に関連し、英語教育に力を入れる家庭が日本よりもかなり多いです
そしてバンコク都心にいる40代くらい以下の世代では、英語を話せる人が日本人よりも断然多い印象です。
日本ではバイリンガルを目指す子育てが一昔前より増えているとはいえ、まだ習い事やおうち英語程度ですが、バンコクでは
- 上流家庭はインターナショナルスクール
- 中流家庭以上はバイリンガルスクール
へ通わせる家庭も多く、学校での時間をまるまる英語で過ごす環境がある子が若い世代になるにつれどんどん増えている印象です。
公立校でもタイ部とインター部の両方の学科がある学校も多いようで、公立校のインター部は年間35万円〜の学費だと聞いたことがありますから、国の政策として英語力を伸ばそうとしているのでしょうか。
今後数十年のうちにアジア内での国際力がどう変わってくるか見ものです。
同じマンションのタイ人家庭の子もほぼ全員インターやバイリンガルスクールに通っている
14. お金持ちが多い
貧困層や路上生活者、物乞いを日常的に目にするバンコクですが、同じくらいお金持ちも多いのに驚きです。
統計上はわかりませんが、街での肌感は東京港区よりもお金持ちを目にする機会が多いです。
(日本人はお金があることを隠しますが、タイ人は羽振りが良いのを隠さないのでそう見えているだけかもしれませんが…)
間違いなく、多くの日本人が持つタイ人へのイメージよりは格段にお金持ちが多いです。
タイは贈与税が0だそうで、ひと昔前から比較的裕福な人たちが不動産投資などをしてタイの経済成長とともに稼ぎ、それを贈与税なしで子どもに受け継ぎさらに豊かになっている面もあったりと税制的にも日本とは違うようです。
タイの女性と結婚された日本人の男性の方は、奥さんがタイ人だと日本の友達に言うと
「大丈夫?お金目当てじゃない?親戚ごと養えとか言われない?」
など心配されたそうですが、奥さんの実家は日本の一般的なサラリーマン家庭よりもかなり裕福だよ〜と笑っていました。
最近では、タイ人の中で、日本への旅行が
「(他の外国よりも)安くて美味しい最高の旅行先!」
という認識も生まれつつあるようなので、いつまでもアジアの覇者だと思い込んでいる節のある日本人の自己認識とのズレを感じます。
世界では日本の位置づけは「手が届かない憧れの先進国で」はなく「このクオリティをこの安さで体験できる安全で美味しい素敵な良い国」だと思われているとかなんとか…
とはいえ、タイの貧困層の割合は日本よりも圧倒的に多いですから超格差社会というわけです。
タイ国王(個人)の総資産が、イギリス国王やアラブ諸国の王様よりも多く、君主の資産ランキングで世界一なの知っていましたか?
15. 政治が興味深い(親中・王室の権力)
タイという国は、
- 王室が浸透している
- 軍がある(徴兵)
- 中国の影響が強い
- アメリカよりイギリスの影響が強い
ということを実際に住んでみて知りました。
まず、タイではアメリカ英語よりもイギリス英語表記が多いです。
日本とすごく違うなとリアルに感じたのは、コロナワクチンが始まった初期にタイに輸入されたのが
- シノバック
- シノファーム
- アストラゼネカ
という、イギリスor中国のワクチンだっただったこと。
アメリカ産のファイザーかモデルナかの議論がされている日本との温度差を感じました。
ワクチン後半には(2022年に入る頃)ファイザーやモデルナが輸入され始めましたが、今まで日本に住んでいると気づかなかったけれど日本は高い優先順位でアメリカのものが来ていたんだなと、国同士の関係性を感じました。
また、タイには3-4代ほど前に中国や台湾からタイに渡った華僑が多く、タイの大企業を経営している財閥はほとんど中華系タイ人だというのにも驚きました。
タイの中華街はヤワラートという名前の街
また、王室も日本人の感覚にはないレベルで日常浸透しています。
どこに行っても王様の写真を貼っているし、学校でタイ国歌を耳にする機会も多いそうで3歳のうちの娘ですら王様の顔と存在を認識しているしタイ国歌を歌えるんです♪
毎朝8時と夕方6時には街中の道や建物で国歌が流れ、歌が流れている間はタイ人全員が立ち止まるのはご存知ですか?
歌が終わった瞬間に全員が動き出す様子は日本にはない光景なので、旅行の際にはぜひ見てみてほしいです。
タイと日本の生活の違いまとめ
私がタイに住んで感じたタイと日本の生活や文化の違いをご紹介しました。
人によって感じることが違うし、家族構成によっても気になるポイントが違うと思うので、皆さんがタイでびっくりしたことを私も知りたいです♪
旅行と違って移住は生活ですから、現地の文化に馴染んでいくことが礼儀だと私は考えています。
なのでタイ移住を考えている方はぜひご自身の目でタイを見て肌で感じて、タイという国をリスペクトできるか、馴染んでいけるかどうかをご自身で判断してから移住を決めて欲しいと思います。
ま、そんなに深く考えずにも移住できますけどね♪
ではでは、素敵なタイ移住が実現できますようにお祈りしております♪
追記:
タイと日本の違いがまだまだありました。笑
第二弾はこちら!