
こんにちは。
2021年にタイのバンコクに移住し7歳と3歳の娘を育てるなぽり@naho.thailandです♪
今回は、
タイに移住してみてわかった海外移住のリアルな一面と、移住前に知っておくべき心構え
をタイ移住した私の個人的経験と意見だけを元にピックアップしたいと思います。

タイへの移住だけでなく、他の国への移住にも言えることだと思います。
移住する前に抱いていた「海外移住」のイメージは?
海外移住(もしくはタイ移住)にどんなイメージがありますか?
海外に移住したら、あなたが思っている生活は本当に手に入るのでしょうか?
移住する理由は人によって、夫婦によって、家族によって様々ですよね。
私自身や周りのタイ移住者・海外移住者に聞いた中ではこのような理由が多いです。
- 英語環境で子育てをしたいから
- インターナショナルスクールに通わせたいから
- 理想の子育てができる環境がある国を見つけたから
- 自分やこどもの将来のために海外暮らしの方が良いと思うから
- やりたい仕事や生活が海外にあるから
- 気候が合う場所で暮らしたいから(冬や花粉が嫌だから)
- 日本人が少ない環境に身をおきたいから
- 日本よりも合う国があったから
- 日本にいる理由がないから
- 日本が嫌い/他に好きな国があるから
- 子どもに優しくない東京での子育てが嫌だから
- 今までの環境から飛び出して挑戦してみたいから
- 憧れの人が海外に移住したので真似っこしたいから
- 税金が優遇される国に住み資産構築したいから
- 海外の方が生活費を安くできそうだから
などなど。
海外移住をする理由や目的は、人の数だけあります。
もしかしたら、明確な理由・目的はなく海外に住むこと自体が憧れだった人もいるかもしれません。
どんな理由であれその人がそう思ったならそれが正解で、その思いを大切にして欲しいと思います。
というのも、私が実際に移住してみて思ったことは
「確固たる海外に住む理由や目的」を持っておくと移住生活がより良くなる
からです。
どういうことかを説明するためにまずは私がタイ移住して実感したリアルな点を5つご紹介します。

今からお話しする「タイ移住のリアル」はデメリットではありません!
どう捉えてどう利用するかはその人次第です。
タイ移住で実感した「海外移住」の5つのリアル
1. 日本の社会保障を全て失う
人は全員国籍があり、国籍がある国に住み納税の義務を果たしていれば様々な権利があります。
- 3割負担でお医者さんにかかれるのも
- 公立校がほぼ無料なのも
- コロナの給付金が出るのも
- こども手当も
- 子どもの病院・歯医者が無料なのも
- 出産補助金が出るのも
- 国から2年に一度子宮頸癌検査の用紙が勝手に送られてくるのも
- 本気で生活がヤバくなったら生活保護を受けられることも
日本に住民票がある日本人へのベネフィットです。
日本で暮らしていると、やれ日本は少子化でこのままじゃヤバイやの、やれ政治が腐ってるやの、やれ英語力・国際力・平均年収がアジアで最悪やの、悪いところにしか目が行かず、海外に逃げた方が良い暮らしができるようなイメージをしがちではありませんか?
私もそういう話を聞いたことがありましたが、実際に海外に来てみると、日本は少なくとも現状だけを見るとまだすごく恵まれている国だいうことを知りました。
10年後、20年後の日本がどうなっているかは、わかりません。
でももし、たった今あなたが海外移住したとしたら
「日本人が日本に住むってお金がかからないし、気づかぬうちに色んなサービスを受けていたんだなぁ」
と思うと思います。
海外に住む(日本の住民票を抜く)ということは、日本への納税義務はなくなりますが、同時に日本からの恩恵が全く受けられなくなり、守ってくれる存在が無くなるということです。
もちろん頭では理解していたことですが、いざ外国に住み始めた最初の頃は急に不安を感じた瞬間もありました。
特に私は、移住直前の健康診断で早急に手術が必要な病気が判明し、バンコクに来てすぐに手術をしたのでそう思うのかもしれません。
バンコクの医療レベルは日本と同等なのでその点には不安がなかったし、幸運なことに完治しましたが、
- もし手術が失敗して長期的に入院になったら子どものお世話はどうしよう
- もし手術して予想以上に病状が悪かったらどうしよう
- もし手術代が超高額だったらどうしよう
など、どうなるかわからないことに不安がありました。
海外移住することは、日本国という保護者を失うことだということを知っておきましょう。
この件はお金で解決できることなので、何があっても対処できる爆大な資産を持ってから移住すると安心感が違いますね。

国の補償がない自力の生活を1年続けてみると塩梅がわかってきたので、今はもう不安はありません。
2. 海外駐在員という日本人
移住する国によって在住日本人の数が違いますが、どの国でもきっと日本人駐在員とその家族に出会うことと思います。
独身だったり子どもがいない生活なら、自分次第で日本人と一切関係しない生活も可能です。
しかし子育て世代の場合(というか私の場合)、娘が同年代の日本人の子とも遊びたいと言うので積極的に日本人のお友達と出会う機会を作りました。
私は英語が十分に話せないので、言葉を気にせず話せる日本人の友達はとても大切で、一緒に遊ぶと楽しくありがたい存在です。
しかし、話を聞いているうちに駐在員さんたちの待遇を知り驚きの連続でした。
駐在員のご家庭は、
- 家賃(30万円前後)
- 電気代
- 運転手付きの車
- 家政婦さん
- 子どものインターナショナルスクール費用
- 一時帰国の飛行機代
などが会社負担だそうです。(会社によって補助額が違いますが)
一方、好き好んで移住して来た我が家は当然、すべて自腹。
インターの学費が高いなぁとか、家賃は20万円までに抑えたいから一駅離れた駅に住もうかなとか、90日ごとにイミグレに提出するレポートを忘れてたとか…
事あるごとに私が頭を悩ますことを、全て会社がやってくれるというのです!
そもそも我が家は10年以上も前から自営業で会社の補助がない生活をしてきているのに、
- 国の補償がなく不安だったからか
- 言葉が伝わらない環境が不安だったからか
- 日本以上に生活費がかかる環境だからか
- 手続きや申請がすごく大変だからか
- 自分の手術が不安だったからか
なぜだか分かりませんが、全てを会社に任せられる駐在家庭の環境をうらやましく思ったこともあります。
そんな時は初心に返り、
「私たちは自分で選んでこの国に来た。どんな事も自分たちの力でやっていくんだ。」
という基本を思い出し気持ちをフラットに戻します。
もちろん、海外に住んでくれている日本人がいてくれるからより楽しみが増えるのでたくさんの日本人が居てくれてよかったと思うことの方が多いです。
移住地で出会う日本人と良い関係を気付くために、駐在のご家庭と個人で移住してきた我々とは、バックボーンが全く違うことを心から納得するのが大切だと思いました。
3. 日本はすでに「物価が安い国」
アメリカや欧米、オーストラリア、ドバイに移住する方は住む国が日本より物価が高いことを承知の上で移住すること思いますが、東南アジアに移住する方はどこかで
「日本よりも物価が激安で生活費浮くだろうな〜」
と思っているかもしれません。
日本より高くなるとは思いませんが、
日本人的な生活をするならば生活費が日本とそこまで変わらない
のが現状だと思います。
物によっては日本よりも高いものもあり、びっくりしました。
タイの場合、生活レベルを落とせばまだまだ生活費を抑えられますが、予算内で理想の海外移住生活ができるかをしっかりリサーチしないと、ガックリな生活になりかねません。
4. 日本語を学ばない環境で育つ我が子
私は日本で育った日本人ですから、漢字の読み書きができるようになるのは当然の流れでした。
しかし、海外移住し日本語の授業がないインター校に通うと漢字やひらがなに触れる機会が全くありません。
恥ずかしながらこの点について知らなかったので、タイに来てた当初、英語はメキメキと上達する一方で、幼稚園の頃よりも平仮名すら書けなくなってきた娘を見て
「日本語の勉強どうしよう!!」
と焦りました。笑
海外に住むインター生は、親子で力を合わせて日本語教室や公文で日本語や漢字を習う時間を設けないと漢字を書く機会すらありません。
7歳の娘とは日本の漢字プリントを一緒にやっていますが、学んだ漢字を使う機会が全くないのでどんどん忘れていき、ありゃりゃ…と思っています。笑
バイリンガルの先生曰く、
漢字を書く練習よりも教科書を読めたら良いよ
とのことなので、今は日本大使館でいただける日本の教科書を読むことだけを続けています。
将来、日本にも住む予定がある方は子どもの日本語をどう習得させるかも考えておくと良いと思います。

漢字が読めない7歳の娘は、児童書を英語で読み始めました…
5. こどものスクールで出会う現地の富裕層
アジア圏に多い話かもしれません。
英語以外を母国語とする国に移住すると、必然的に子どもをインターナショナルスクールに通わせることになります。
そうするとクラスメイトは、
- 海外駐在の外国人
- 現地の富裕層
です。
日本の私立小学校をイメージしてもらうとわかりますが、特にアジア圏においては小学校の学費に年間100万〜300万円を払える家庭は皆、裕福な家庭です。
タイの話で言うと、
- 本宅は一軒家、子どものスクールの通学のためにスクール近くに高級コンドミニアムを買う
- こども一人につきベビーシッターを一人雇う
- 習い事や教育にお金を惜しまない
- 家事は全てヘルパー任せ
- 運転手付きの車、買い物の荷物も全部運んでくれる
- 連休があればすぐにリゾートや外国に旅行
- リゾート地に別荘を何軒も持つ
- 子どもの誕生日会はレストランを貸し切ってパーティ
などなど、ほんとうに優雅な生活です
その環境をどう解釈する(どうやって子どもにとって良いものとする)のかは各家庭次第ですが、子どものスクールや習い事で出会う家庭の層はきっと日本では出会うことのないレベルの富裕層が多いことをお知らせしておきます。笑

タイママの優雅さを見て「私ってミャンマー人家政婦と同じことやってるやん…」と自分との差にガックリきたこともありますが、今はもうそのような方々の生活を見るのが楽しいです。
良い友人と出会って、良い毎日になるといいなと思っています。
5. 親は自発的に動かないと外国人の友達はできづらい
海外移住し、現地校/インターナショナルスクールに通う子どもはメキメキと英語力が伸び、物怖じしない社交的な性格になる子も多いと思います。
しかし、親は…
スクールバスで通うことになってしまうと、先生とも保護者とも話す機会がありませんから、自発的に動いていかないと友達作りも難しいです。
私はコンドミニアムの友達が全員ネイティブの外国人なので英語を話す機会が多いですが、もし日本人が多い家に住んでいたら、多国籍のママ友ができるきっかけは全くなかったかもしれません。
外国に住めば自然と英語が伸びるなんて夢の様な話はなく、コンドのママ友と遊んでいるので生活で英語を使うには苦はないけど、女子トーク、ママトークをベラベラと話せるようになろうと思うと全く英語力が足りない!ともどかしい日々。
英語が話せない親にとっては、英語の勉強をする+自発的に社交していく気合が必要です。

子どもの学校の先生との面談も英語ですから。
特に日本人が多い国に移住する方は環境づくりへの努力も必要です。
……
ここまで、私が実際に海外移住して感じた海外移住のリアルを5つお話ししました。
この5つのリアルを踏まえて、移住する前に考えておくと良いことをお話しします。
対策:海外移住のリアルを踏まえて移住する前に考えておくと良いこと
私が実際に海外移住して思った移住する前に考えておくと良いことが一つあります。
それはこの記事の冒頭にも言った、
何かひとつでも自分を納得させる「海外移住した目的・理由」があった方が精神安定上、都合が良い
ということです。
例えば、私が日本で暮らしていた頃に思っていた海外移住したい理由は
「日本以外に住んでみたいし、日本以外で子育てしてみたいから」
でした。
そして、実際に行動に移しタイに住んでから約1年間。
大きなピンチはないですが、先ほどお話ししたような海外移住のリアルに何度かぶち当たりました。
その度に、
- 日本だったら、この申請や手続きをしなくていいのに
- 日本だったら、この費用はかからないのに
- 外国に住む日本人同士なのにサポートだらけの駐在家庭が羨ましい
- 万が一のことが起こってもすぐに日本の親や家族と会えない
- 海外に来たのに、英語力が伸びていない自分に自己嫌悪
- 周りのタイ人は家事も子育ても全てヘルパーさん任せで自分はいつもキラキラ。ボロボロの自分が恥ずかしい
と、自分の状況にモヤモヤすることも。
そしてうまくいかないことが続いてしまったら、
「何のためにわざわざお金と労力をかけて外国に住んでんだろ」
というネガティブな気持ちに持っていかれそうな瞬間もありました。
だから、私が思うのは、海外移住する時には
「自分心の中にひっそりと持ち続ける海外移住をする目的・理由」
が必要だということです。
人間ですから感情がゆれるのは当然で、ネガティブモードに引っ張られそうになることがあって当然です。
でもそんな時、海外移住を目指して突き進んでた初心を思い出すと、今ある物・環境に感謝できる気持ちになれるんじゃないかと思うのです。
だって、様々な困難は自分で掴んだ憧れの海外移住生活の一部なんですから。
そう気持ちをリセットできるために、予め海外移住のリアルを知っておくことや、自分が移住する理由・目的を一つ持っておくと精神的にすごくスムーズだなと思います。

住み移った国が合わないのに無理やり自分をごまかし住み続けるという意味ではないですよ。笑
その場合は、他の国に移るか日本に帰る判断もありです。
海外移住/タイ移住する理由や目的を家族で考えよう
海外移住を考えている方は、今回お話ししたような海外移住のリアルを知った上で、ぜひ家族で移住する目的や理由を話してみてください。
目的と言ってもそんな大それたものじゃなくていいし、一つに絞る必要もありません。
日本で住むベネフィットを蹴ってまでリスクを取る目的を夫婦や家族で共有することで、自分たちの選択がポジティブなものになるし、辛いことがあったとしても乗り越えられると思います。
もしくは、
「移住する理由はないけど、ビザ代とか病院代とか無駄なお金を払ってでも、外国に住めたらいい」
と割り切ってしまうのも一つの手だと思います。
とにかく間違っても、
「海外には、日本よりも良い環境・生活・人生があるはずだ!」
「海外移住すれば一目置かれる人になれる!」
「海外に住めば日本で感じるストレスは全て解消される!」
「日本ってもうやばいから海外移住が正解!」
など、海外移住のキラキラしたイメージだけを盲信するのではなく、メリットデメリットの両方に目を向けて冷静に判断しましょう。
なぜ海外移住するの?実際にタイ移住した私が思う「海外移住のリアル」まとめ
いろんなリアルにぶち当たったと言いましたが、私はタイに来てから1日も欠かすことなく
「あぁ、この国にいられて嬉しい〜幸せ〜」
と思っています。
元々、独身時代からタイに遊びに来るたびに
「ずっとこの国にいたい〜」
と思うほどタイの気候やゆるい雰囲気が好きだったのもあると思いますが、やはり今回の記事でお話ししたように移住する前の気持ちを思い出すことで今ある環境をすごく嬉しく思えるのです。
これから家族で海外移住を考えている方は、海外移住する目標・理由をメンバーでお話しして、困難があったとしてもポジティブに乗り越えてもらいたいと思います。
海外移住は日常、日常の連続が人生です。
皆さんがどんな状況でも、その瞬間瞬間を楽しめて良き人生になることを祈っております!